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陶磁器が、最も早く発達したのは中国です。日本もその影響を受け早くから発展し、17世紀には海外に輸出するまでになりました。ところが、ヨーロッパの陶磁器の発達は、はるかに遅れました。
それでも各国の王室は自国で東洋のようなやきものを作りたいと努力を続け、各地に今日の名陶が生まれました。 ヨーロッパを代表する名陶ブランドをご紹介します。 |
○ | ウエッジウッド (イギリス) |
1759年の創立で、原料にボーンアッシュ(牛骨を焼いた灰)を加えて 焼くボーンチャイナを完成させ、後に英国最大のメーカーになりました。青や紫の生地に白い模様を浮き彫り にしたレリーフ焼の「ジャスパー」「パウダー」と呼ばれるカラーのバンド柄が魅力です。代表的なパターンは、 「フロレンタイン」「パウダー・ルビー」、よく親しまれているのは「ワイルド・ストローベリー」です。 |
○ | ロイヤルドルトン (イギリス) |
160年の伝統を持ち、テーブルウエアの貴族と呼ばれる名門ブランド です。「ドルトン赤」と呼ばれる独特の赤い色を創り出し秘法とされています。重厚で落ち着いたパターン が主流ですが、グループ傘下のミントン社はかわいらしい若向きのデザインが得意で、ハドンホールが人気です。 |
セーブル (フランス) セーブル焼 |
1738の創立で、ドイツのマイセンに次ぐ歴史があります。セーブルの 特徴は、その香り高い芸術性です。名画のような絵柄はまさにフランス的です。また「セーブル・ブルー」と呼ばれる独特の青の色調は、他社の追従を許しません。 | |
ベルナルド (フランス) リモージュ焼 |
リモージュ焼の特徴は、その白くきめの細かい肌ですが、 ベルナルドの食器は特にその白磁を意識的に生かしています。金を上品に使ったクラシカルなデザインは、 世界中の格式の高い有名ホテル、レストランでよく使われています。 | |
○ | マイセン (ドイツ) |
ヨーロッパ最古のブランドです。1709年、磁祖ヨハン・フリードリッヒ・ベドガーが ヨーロッパで初めて純白の磁器を開発しました。300年近い伝統を誇る「ブルーオニオン」や「マイセンローズ」が、 気高い剣のバックスタンプとともに高貴な食器として世界中で愛されています。 |
ローゼンタール (ドイツ) |
ドイツ有数のメーカーで、1879年の創立。現代的なデザインが特徴 で、薄手で軽く扱いやすさが定評です。またローゼンタールのデザイン部門には、常に世界一流といわれる デザイナーが名を連ねています。代表的シリーズ「ロマンス」は、曲線の美が魅力です。 | |
○ | フッチェンロイター (ドイツ) |
数あるドイツのやきものの中で、実用性の高い高級磁器として 知られています。耐久性を考えて作りはかなり厚手ですが、いかにもドイツらしいしっかりとした雰囲気 があります。見た目に美しく、丈夫で扱いやすいデザインは、まさに実用的な食器といえます |
○ | ビレロイ&ボッホ (ドイツ) |
ビレロイとボッホという二つの古い窯が1836年に合併して発足した メーカーです。古い伝統を生かした重厚なデザインと極めて現代的なポップ調のデザインの両面を持ち、それぞれヨーロッパのホームライフスタイルを主張しています。先年、代表的シリーズの「バスケット」 が皇太子妃雅子さまのお嫁入り道具として選ばれたことは逸話として残ります。 |
○ | リチャードジノリ (イタリー) |
イタリアのメーカー、リチャード工場 と磁器メーカーのジノリ工場が、1896年に合併してできました。マジョリカ焼の伝統を持つ民芸調のものから、 磁器のディナーウエアまで種類が豊富です。明るくカジュアルで、ちょっと洒落たかわいらしいデザインが 好まれています。 |
○ | ロイヤルコペンハーゲン (デンマーク) |
1775年、王室用の磁器を生産するために創立された王立窯ですが、 現在は、民間経営されています。古くから日本の有田焼の影響を強く受け、手描きによるコバルトブルー の絵柄が特徴です。代表的なパターン「ブルーフルーテッド」は緻密なレース技術が繊細で格調高く世界中 で愛されており、特に日本人の人気を集めています。 |
○ | ヘレンド (ハンガリー) |
1826年、ブタペスト南西部の小さな村ヘレンドにささやかな窯が誕生 しました。そのヘレンドは1851年、第1回ロンドン万国博で大メーカーをおさえて英国王室の注文を受けて 一躍世界の注目を浴び、その後たった20年足らずで名実ともに世界一流の名窯として急成長しました。 「ビクトリア」など有名なパターンがありますが、「インドの華」は、日本の柿右衛門様式を取り入れて いるだけに日本でも大人気です。 |